食品に対する酸素の悪影響として、いわゆる油焼けといわれる油脂の酸化があります。

味噌の表面の色が濃くなる非酸素的褐変、封を切った小袋の削り節の赤い色が退色する色素の分解、醤油などの香りが悪くなる風味の劣化、外観では分からないビタミン類や栄養成分の破壊といったものがあります。

また、酸素があるとカビや細菌などの微生物が生育しやすくなるといったこともあります。

このため、酸素の悪影響を避けるための工夫を包装にいろいろなされています。袋内の酸素を除くために、窒素や二酸化炭素でガス置換をします。

また、脱酸素剤を封入する方法もあります。そのときには、酸素が透過しにくいガス遮断性包材を使うことが必要となります。

アルミ箔、ガラス瓶、金属缶といったものは、昔から酸素を防ぐために使われています。

現在では、様々な酸素透過レベルのプラスチック包材も酸素の影響の程度に応じて用いられています。

酸素の影響を防ぐ方法として、包装容器内に入ろうとする酸素を容器で吸収してしまう包装方式があります。

この方式で、酸素の侵入を完全に抑えることができます。袋詰のお粥といったような微妙な風味の食品は、袋内で粥を炊く場合に、酸素がないと粥の風味がでません。

そのため空気が入ったままの状態で酸素吸収袋でレトルト炊飯します。そうすると美味しい粥ができて、その後の風味のレ一家は酸素吸収袋で防止するという方法になっています。

酸素に触れさせないために、味、色、香りの悪化を防ぐということで、包装はとても大切な役割があります。

酸化防止包装として、スナック、ナッツ、食用油、褐変防止包装として、味噌、醤油、液体スープ、変色防止は、ケチャップなどで必要となります。

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